第85章

昼食までまだ少し間がある時間だったが、厨房はとっくに準備を整えていて、あとは彼女たちが席に着くのを待つだけだった。

卓上に並んだ料理は目を見張るほど豪華で、その中には――アリシアたちが持ち帰った風角獐を使った一皿まである。グリスナは昨夜の時点で獲物の話を聞いていた。説教のひとつもしたいところではある。けれど、それとこれとは別だ。娘の「初めての収穫」を味わえるのを、内心どこかで楽しみにしていた。

風角獐の肉は、低級魔獣の中では上等な部類に入る。肉食系特有の臭みが少なく、身も柔らかい。低階級の職業者に人気があるのも頷ける――ただし、公爵家の食卓に上がることはまずない。

それが今日は主菜とし...

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